むし歯にもさまざまで、軽いものなら削らずに薬を塗布し、むし歯菌をなくしてしまうものや、早い段階での治療が必要な重度のむし歯などがあり、重度のものに関しては歯だけでなく顎の骨までむし歯菌におかされてしまうこともあります。
むし歯は放っておくのではなく、早期治療をこころがけ、削らず永く自分の歯を保てるようにしましょう。
お子様の健やかな成長は、むし歯のない歯が必要です。
小児歯科では治療だけではなく、今後むし歯や歯周病にならないようにそれぞれに適した予防指導を行い、大人になってからも健康な歯の状態を維持できるようにします。
フッ素を歯に塗ると、歯の主成分であるリン酸カルシウム(アパタイト)と反応して酸に解けにくい化合物(フルオロアパタイト)を作るので歯の表面を固く丈夫にします。また、むし歯菌は糖分を栄養にして歯を溶かす酸を作ります。そのとき菌は自分で酸素を作ってたくさん酸を出そうとしますが、フッ素はその酸素を作るのを抑制します。その結果、むし歯菌の出す酸が減るのです。永久歯が硬く成熟する(15歳~18歳)までの大切な時期にこのフッ素塗布を年に数回繰り返すと長期にわたりむし歯を予防することができます。
フッ素の定期塗布⇒3ケ月~4ケ月毎が理想的です。
むし歯になりやすい乳歯の溝に専用の薬を埋めることで、むし歯を予防します。乳歯に埋め込む薬は永久的なものではないため、定期的な診療が必要ですが、永久歯になるとプラスチックのシーラントを使用するので長期的な予防が期待できます。
ただし、あくまで歯の溝への予防ですので歯の表面や間も含めしっかりとしたブラッシングと定期的な検診を心がけましょう。
歯周病とは、歯と歯肉に近い部分についた歯垢(プラーク)の中にいる細菌によって引き起こされる病気です。
歯と歯茎の境目についた歯垢(プラーク)から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えている周りの組織をじわじわと壊していき、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病は歯肉炎の段階では、歯の磨き方など口の中の健康管理を積極的にケアすることでよくなります。
しかし、ある程度症状が進行している場合はできるだけ早めに診察を受けることが大切です。
また、歯周病のかかり始めには自覚症状があまりない病気ですので、検査をうけて症状を知ることも大切です。
歯肉に付着したプラークにより歯肉が炎症を起こす症状です。
この症状は歯周病の中でも軽い状態ですので、この段階で治療をしましょう。
歯肉からの出血にはじまり、進行するにしたがい歯肉が腫れ、膿が出たりします。
この症状をそのままにしておくと歯を支えている骨が少なくなり、歯がぐらついたり、抜けたりします。
早期発見に心がけしっかりと治療しましょう。
歯と歯ぐきのすき間もなく、歯ぐきがひきしまっています。
歯ぐきが赤く腫れ、歯磨きや堅いものを食べると出血します。
ポケットの炎症が慢性化し骨が溶け始めます。口臭もあり歯が浮いたような感じがします。
歯根を支えている骨がどんどん溶け出します。歯肉が露出し歯のぐらつきがひどくなります。
ずっと健康な歯を保てるように・・・歯が痛くなる前に!が大切です。
「むし歯が痛くなってから」「歯ぐきから血が出てから」お口のトラブルが起きてから治療をしていませんか?
痛みを伴う治療は誰でも嫌なものです。それなら、そうなる前にむし歯や歯周病を予防することで年をとっても健康な歯を保てるように治療する。それが予防治療です。
フッ素
初期のむし歯に塗りこんで歯を強化します。
レーザー治療
お子様の治療や、小さなむし歯にレーザーを当て、むし歯の部分を固めます。
「削らない治療」で、痛みもなく安心です。
クリーニング(PMTC)
歯の表面をすみずみまで磨きます。専用の機械を使っての「プロによる歯磨き」ですが、少々のお茶しぶなどもきれいになります。
PMTCの効果は単純に汚れを落とすことではありません。
PMTCでは歯石や歯垢を除去することはもちろんのこと、バイオフィルムという細菌を除去することが大きな効果と言えます。
バイオフィルム(※1)が形成されると、歯磨き粉などに含まれている抗菌剤やフッ素化合物などの薬剤が歯に行き届かずブラッシングの効果がなくなってしまいます。
(※1)バイオフィルムとは?
バイオフィルムはむし歯菌や歯周病菌などの細菌が集まり膜となり形成されたもので、歯の表面に強固に付着します。
放置しておくと歯の表面だけではなく、歯肉の縁より広がり歯肉、歯骨にまで影響します。
ゴム製のチップやカップを使って歯の1本1本をていねいに磨きます。
歯の表面の着色を落として、歯に光沢をもたせます。
歯の表面に強固についたタバコのヤニを、細かい粒子で落とします。
PMTCと合わせておすすめしています。
レーザーとフッ化物を塗布することで、初期むし歯を削らず大きくならないよう予防します。